筆者は長年NHKの局員たちと毎月やり取りをしていますが、彼らに忖度することなく、経営計画案の核心を突いていきます。
違和感の背景に忍び寄る「3つの危機」
「何を言っているのか全然わからない」と戸惑う人がいるのは当然でしょう。
業界内の人ですら「公共メディアプラットフォーム」という言葉になじみがなく、わかりづらい。さらに国民のためというよりNHKのために作ったもののように見えるから否定したくなる人が少なくないのでしょう。
まず「わからない」という人のために少しかみ砕いて説明すると、「“公共メディアプラットフォーム”への転換」とは、現在NHKが配信しているNHK ONEやNHKオンデマンドと、Netflixなどの外部プラットフォームとの連携を進めるということ。また、そうすることで「NHKの番組を見てもらいやすくする」「IP(知的財産)としての価値を高めていく」という狙いを打ち出しています。
NHKはこれに先駆けて6月にNetflixでドラマを配信し、ネット上には「公共放送のやることなのか」「民業圧迫では」などの批判も散見されましたが、それを本格的に進めていくということでしょう。
ではなぜ批判を受けたにもかかわらず、公共メディアプラットフォームという違和感があるフレーズを使ってまで進めようとしているのか。
その主な理由は「放送の影響力低下」「NHKの孤立」「受信料収入減少」の3点が挙げられます。
まず「放送の影響力低下」は、配信コンテンツが増えてテレビ放送を見る機会が減っていることへの対処。局を問わず視聴率の低下は進む一方で、無料のYouTubeや有料のNetflixなどの配信コンテンツが増え続けています。数の多さと使い勝手の良さなどから配信コンテンツを優先的に選ぶ人が増えたことで、NHKに「見てもらえない」「存在意義が危うい」という危機感が芽生えるのは当然でしょう。


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