こま武蔵台では、東急不動産が開発したニュータウンから東急ストアがいなくなってしまったわけだ。しかし、東急だけを責める問題ではない。
閉店時点でこま武蔵台にはおよそ2200戸、6000人が居住しており、住民の利用頻度や金額が高ければ、不採算に陥らなかったかもしれない。実際、「住民の間には『あまり利用してこなかった』という反省の声もある」と報じられている。(『読売新聞』2009年6月4日)
また本報道を受け、「地域住民が地域全体で地元の商店を支える必要性をしっかりと自覚し、利用し続ける『買い支え』が重要」と指摘されている。(「『買い物難民』問題 その現状と解決に向けた取組」)
丘陵地は高齢化とともに移動の負担に
似た属性の人々が同時期に入居したニュータウンでは、高齢化が顕著に現れはじめる。なかでも、こま武蔵台の高齢化は深刻だ。
埼玉県と市町村職員による「彩の国さいたま人づくり広域連合」が2016(平成28)年度にまとめた「ニュータウン消滅可能性ランキング」で、こま武蔵台は3位となった。高齢化率は43%と非常に高い。
さらに2021(令和3)年4月時点では、高齢化率は51.6%にまで及んでいる。(『市街地再開発』2022年7月)
こま武蔵台の標高差は最大約70mもある。街を歩いていると、坂や階段が多い。家の門から玄関までに階段のある戸建住宅も存在する。
「こま武蔵台ショッピングセンター」では東急ストアの閉店から5年後の2013(平成25)年4月、直売所・スーパーの朝採れファーム高麗郷が出店し現在まで営業を続けている。
だが店舗面積は競合の大型店には到底及ばず、品数は非常に限られ、ミニスーパーといった様相だ。生活に必要な最低限の食品が購入できるため、住民にとってなくてはならない存在と思われるものの、満足のいく買い物をしようと思うと大型店まで行かなければならない。


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