「私は、4月に『AZEC+(プラス)』のオンライン会合を主催して、最も大きな影響を受けているアジアの国々の声を直接うかがい、そして今回、アジアのメンバーとして参加したG7サミットで、エネルギー安全保障、とりわけ原油市場の安定に向けて、3つの提案を行いました」
イギリスとイタリアを歴訪した後、フランスで開かれたG7サミットを終えた高市早苗首相は、6月17日に記者会見を開き、日本から同行した記者団とウェブ参加の記者たちに対して胸を張った。
高市首相が述べた「3つの提案」とは、①G7の同志国で連携し、エネルギーの安定供給に向けて不当な輸出制限に反対し、自由で透明な貿易を確保すること、②今回のようなショックにも強い供給網を作り上げるため、IEA(国際エネルギー機関)の「90日備蓄」の考え方に沿って、アジアなどで石油備蓄の強化を支援していくこと、③中東など産油国と消費国との対話・連携を強化すること、を指している。
実際に高市首相はサミットで、ホルムズ海峡の自由航行と各国の石油備蓄強化支援を提唱し、17日には参加国から賛同を得たことをXに投稿。持論である「共同備蓄連携構想」はG7の声明に正式に盛り込まれた。それはまさしくG7サミット初参加の高市首相が「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」を展開したことを意味するものといえる。
高市首相の代理で出席した「意外な人物」
しかし、その3カ月半後の10月2日のG7首脳オンライン会議のモニターに、高市首相の姿はなかった。代わりに出席したのは、首席シェルパを務める遠藤和也外務審議官(経済担当)。9月1日付で駐フィリピン大使から現職に転じたばかりの人物だった。
イギリスは父親の葬儀のために出席がかなわないアンディ・バーナム首相に代わってエド・ミリバンド外相が代理出席し、EU(欧州連合)はアントニオ・コスタ欧州理事会議長が日程の都合で欠席したが、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は参加した。欧州委員会委員長は議長らとともに欧州理事会を構成するメンバーだ。
一方、日本では茂木外相は10月2日夜、官邸からも霞が関からも近い衆院議員宿舎にいた。茂木氏は27日の参院外交防衛委員会で「首相トラックと外相トラックはプロセスが異なる」と弁明。自分に代理出席の義務がなく、遠藤氏の代理出席は規定どおりと答弁した。


※ログイン後、コメント入力が可能です。