だが、元外務事務次官の藪中三十二氏は10月24日放送のテレビ番組で「シェルパが会合で堂々と首脳の間に立って話をするなんてことは聞いたことがないし、見たことがない」と断言した。
そもそも、ディーゼル燃料は原油を蒸留して生成されるものだ。国際的な石油備蓄の強化支援を提唱した日本の首相が、「ディーゼルが日本にとって直接的な問題ではない」と完全に切り捨てることは難しい。
巡り巡って日本の基幹産業に影響も
折しも、フランスとドイツは10月16日、欧州委員会が公表した産業促進法案をめぐり、EU域外で生産された電気自動車(EV)を優遇措置から外すという内容の共同提案で合意した。これは補助金や公共調達の条件として、EVやバッテリーなどの戦略分野に対して「MADE in EU」基準を課すものだ。
2020年にEUを離脱したイギリスには一定の条件の下で優遇措置が認められる見込みだが、EUと経済連携協定を結び、「信頼できるパートナー」であるはずの日本のEVが、優遇の対象から外される可能性が出ている(発効には、ほかのEU加盟国と欧州議会の承認が必要)。
ヨーロッパではもともとディーゼル車の人気が高かったが、15年のフォルクスワーゲンによるアメリカでの排ガス規制不正問題が発覚して以降、EVへの転換が進んでいる。ただ、EVにも高価格というネックがあるうえ、中国勢の攻勢も激しい。そこで補助金や税の優遇措置で普及を図っていくことになるが、ディーゼル価格が高騰すれば、これは加速していくだろう。
高市首相は、28日に来日したドイツのフリードリヒ・メルツ首相と会談する際にEVの優遇措置基準を議題に取り上げ、日本を除外しないように求めたが、それでもディーゼル価格の高騰問題は「日本にとって直接的な問題ではない」といえるのか。
世界の真ん中で咲き誇ろうとするなら、真ん中に立ち続ける努力が必要だ。それこそが日本列島を強く豊かにする最善の方策ではないか。


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