有料会員登録
ライフ #見た目の科学 人はなぜ“外見”に翻弄されるのか

「運動会ではタトゥーを隠すべき」"おでんツンツン男"の行動に賛否も…《自分の常識》を他人に押し付ける人の盲点

13分で読める
運動会
半袖短パンからタトゥーが見えていたーー子どもの運動会での親のファッションに賛否が(写真:HiroHiro555/PIXTA)
  • 宮本 文幸 「見た目」戦略研究家/桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授
2/8 PAGES

もっとも、寄せられた批判の中には、タトゥーではなく過去の騒動を持ち出すものも交じる。確かにそれが反応を大きくした面はあるだろう。ただ、論争はすぐに個人を離れ、「タトゥーのある親は、運動会で隠すべきなのか」という一般的な問いへと広がっていった。

集英社オンラインの記事によると、東京都教育委員会の担当者は、保護者のタトゥーに関する指導について「基本的に(保護者のタトゥーに関する指導等は)ないかなと思います」と答えている。学校行事での保護者への対応については、「保護者の対応も各学校の校長が責任を持って行うという形です」と説明したという。

また、大阪市教育委員会も、学校行事での保護者のタトゥーについて、方針を示したり、聞いたりしたことはないと回答したそうだ。

少なくとも、取材を受けた2つの教育委員会は、明確な方針を示していない。それなのに、なぜ「隠すのは当たり前」と非難する人と、「隠す必要などない」と擁護する人に、これほどはっきりと分かれるのか。

運動会のときと同じようにハーフパンツを穿いた豊嶋さん。ふくらはぎや足首に入ったタトゥーが見える(画像:豊嶋悠輔氏のインスタグラム @toyoshimayusukeより)

本稿では、タトゥーの是非は判断しない。この論争の「構造」を見ていきたい。

「隠すべき」派も「自由」派も、同じ思い込みの中にいる

「批判している人は、タトゥーへの偏見が強いだけ」「擁護している人は、周りへの配慮が足りないだけ」と思うかもしれない。

しかし筆者は、どちらの側にも同じように、ある心理が働いている可能性があると考えている。心理学で「ナイーブ・リアリズム(素朴実在論)」と呼ばれる現象だ。

自分は物事をありのままに見ているが、自分と違う意見の人は、先入観や個人の都合で歪んで見ている――そう思い込んでしまう傾向のことである。

3/8 PAGES
4/8 PAGES
5/8 PAGES
6/8 PAGES
7/8 PAGES
8/8 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数