こうしてつらい“浪人”期間を過ごすことになった海老澤さん。しかし、一発で司法試験に合格した優秀な友人たちが、海老澤さんのことを助けてくれたそうです。
「受かった卒業生たちが試験勉強のコツを丁寧に教えてくれました。1年目は自己流で勉強していて、そういう勉強の仕方をしていなかったので、目から鱗でしたね。そこで教えてもらったことをその通りに実践したら受かったという感じです」
こうして海老澤さんは2015年に司法試験に2回目の挑戦で合格することができました。
挫折を「ネガティブに捉えていない」
2017年に41歳で弁護士登録を果たした海老澤さん。その後は民間企業のインハウスローヤーとしての経験を経て、林総合法律事務所、そして現在は三村小松法律事務所に在籍しています。
浪人して良かったことを聞くと「周囲への感謝の気持ちが一層強くなった」、頑張れた理由を聞くと、「周りの支えのおかげ」と答えました。
「常に周りに支えてもらっているおかげで今がある、という感覚があります。編集者の頃も、周りの先輩・後輩に支えてもらったし、ロンドンでも友人が支えてくれて、そのつてでスタイリストのアシスタントをすることができました。
ロースクールに入ってからも素晴らしい友人に恵まれました。合格後の司法修習でも、そして今も、本当に素敵な人々に支えてもらっています。彼らの存在がなかったら、受験勉強はおろか、司法試験にも合格していなかったですし、弁護士にもなれていなかったと思います」
波瀾万丈のキャリアを歩んできた海老澤さん。大きな挫折が沢山あったと思い、人生最大の挫折について伺ったところ、「ネガティブに捉えていないせいか、挫折という感覚はあまりない」と海老澤さん本人の感覚は少し違います。
「環境に恵まれてきたと思っており、実際に大きな挫折を経験していないのもあると思うんですが、性格的にも“挫折”という捉え方をあまりしていないのかもしれません。ロースクールの勉強はとても大変だったけれど、ネガティブには捉えていませんでした。ロンドンに行ったときも英語がうまく通じなくてつらいと思ったことは何度もありましたが、最終的にはなんとかなるか、という感じでした」
スイッチが入るとそちらに一気に舵をとる性格だという海老澤さん。「ファッションがやりたい」という思いが岐阜でよみがえり、官僚を辞めて宝島社へ。「法律問題を解決したい」と思い立ったら、フリーランスの仕事を全部辞めてロースクールへ。一見すると大きな回り道にも思える経歴ですが、その一つひとつの経験が、現在の海老澤さんの専門性につながっています。
現在では本業をしながら高島屋やタキヒヨー、カルチュア・エンタテインメント グループの社外取締役、文化服装学院の非常勤講師なども務める海老澤さん。経済産業省の「ファッション未来研究会〜ファッションローWG」では副座長も務めました。今後も、ファッションローの第一人者として活躍し続けていくのだろうと思いました。


※ログイン後、コメント入力が可能です。