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フランス発の財政懸念と政治的分断が金融市場で材料視されてから1カ月が経過しようとしているが、債券市場の正常化には至っておらず、ユーロ相場の下落基調は続いている。フランス国債金利の高止まりに対し長期化を懸念する声も出始めている。
そもそも今回の混乱の発端は9月中旬に始まったパリ郊外の高校生による抗議活動だった。新学期が始まっても教員不足で授業が行われず、もとより問題視されていた校舎などの教育設備の老朽化問題なども相まって、学生たちが行動を起こしたのであった。
インフレ下で生活改善を求める抗議に発展
戦後最長のデモ活動となった2018年の「黄色いベスト運動」と同様、小さな火種がSNSなどを通じて拡がりを見せ始め、今や教育環境の改善要求に留まらず、教育も含めた公共サービス全体の質低下、生計費の高止まり(要するに物価高)、ひいてはマクロン政権の経済政策全般への批判へと発展している。そもそも生活費が高いからこそ教員が学校周辺に居住できず教員が十分確保できないという事情がある。
過去、イギリスのロンドンでは消防士や看護師など「Key Worker(地域に必要不可欠な公共サービスの従事者)」に対して取得可能な価格での各種住宅支援策が実施されたことがあるため、インフレが極まった都市部では社会基盤維持のために財政措置が必要になることは珍しい話ではない。フランスを皮切りにイタリア、スペイン、ポルトガルなどでもやはりインフレを受けた社会不安の高まりから、デモ活動が活発化していることが報じられている。
すでに、高校生による抗議活動はフランス全土を巻き込んだ抗議活動に発展しており、11月5日にはフランスの主要労働組合(インターシンディカレ)が業種横断の全国的な大規模ストライキとデモを実施することを発表している。
教育を含めた公共サービス全般の質回復、インフレに対応するための賃上げなど生活環境改善を求めた包括的な抗議活動の色合いを呈しており、「黄色いベスト運動」との共通点が見出せる。当時はガソリン税などの燃料価格引き上げに対する反発から騒動が始まり、徐々にマクロン政権の経済政策、社会格差、地方衰退に対する不満へと発展、デモの大規模化・長期化に至った。
今回はこれを超える動きになるのか。
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