そうした表面的な本をつかまされないためにも、著者のバックグラウンドを探り、本当にその分野での実績があるのかを確認してみる必要があるでしょう。
そして、本は営利を追求する「商品」です。そのため、幅広い読者層に受け入れられ、炎上や批判を受けないよう、「きれいごと」が多く並んでいるケースが多いことも、割り引いて読む必要があります。
実際、成功者と呼ばれている人でも、取引先との金銭トラブルを抱え、裁判で訴えられている人もいます。態度が横柄で自分勝手な人もたくさんいます。表面上は温和な社長でも、エグい猛烈営業をかけさせている場合もあります。
ビジネスはきれいごとだけでは勝てません。交渉は冷徹に、相手の足元を見たり、時には揚げ足をとったりもします。自分が有利になるよう、あるいは不利にならないよう、相手を追い詰め、力でねじ伏せることが必要な場面もあります。
従業員にも厳しく、解雇も厭わない。だから元従業員から就職情報サイトに悪口を書き込まれる。理不尽なクレーマーとはバッサリとやりとりを打ち切ることもある。だから2ちゃんねるには悪評スレッドが立つ。
私も会社を経営してきた立場なのでわかるのですが、事業が拡大すれば善悪含めていろんな人との接触が増え、トラブルは避けられないものです。こうした過程で、成功者と呼ばれている人は、必然的に「アンチ」が存在するようになります。
賢い人の「カモ」になってはいけない
しかし、経営者が書く自己啓発書には、そういうことはあまり書かれていません。「きれいごと」を鵜呑みにすると、ただの「いい人」になって、本当に賢い人に出し抜かれてしまいます。
人は誰でも過去を美化して思い出にする傾向があり、それは自己啓発書の著者も同じです。だからどうしてもきれいごとや理想論になりやすい。しかし、本当にやるべきことは、その人が「今やっていること」を真似るのではなく、「成功者になっていく発展途上でやっていたこと」を真似ることのはずです。
行間を補う想像力が欠如している人や、自分の価値観にしがみつく人は、そうした部分に思いを馳せることができません。結局そういう人は、著者や出版社が販売・主催する商材やセミナーなどのカモになり、ただお金を失うだけになってしまいます。


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