歴史というレンズを通して街を見ながら歩くと、それまで見慣れていた景色の解像度が格段に上がります。いま人々がにぎやかに行き交うメイン通りであるパトリック・ストリート(Patrick Street)も、約200年前までは船が往来する運河だった場所です。通りに並ぶ街灯に目を凝らすと、かつてここに船がつながれていた記憶を物語るように、船の帆をイメージした美しい意匠が施されています。
街を見下ろす高台に鎮座する「シャンドン・タワー(Shandon Tower)」の壁面にも、土地の地質学的なドラマが刻まれています。西側は白いライムストーン(石灰岩)、東側は赤いサンドストーン(砂岩)という異なる石材で構築されていますが、これはコークの東西で地層が分かれている地質的特徴を反映したものです。そしてこの赤と白こそが、今日まで受け継がれるコークのシンボルカラーとなっています。
さらに歩みを進めると、中世に築かれた市壁の遺構や、17世紀にフランスから渡ってきたプロテスタント信徒が開拓した、フレンチ・クォーターの細い路地が現れます。中心部が歩行者天国(Pedestrian street)化された安全な街並みを歩きながら、幾重にも重なる歴史のレイヤーをひもといていく。語学学習の枠を超え、街の成り立ちそのものを体感する。これこそが大人の旅であり、学びの醍醐味です。
家族経営の語学学校「CEC」で見た、学び直す社会人たちの姿
今回取材したCEC(Cork English College)は、街の中心部、歴史的価値の高い重厚な建築物に校舎を構える、1978年創立の家族経営の語学学校です。


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