有料会員登録
ライフ

金曜手術でも「土曜日に執刀医が来ない」時代に…医師の働き方改革で危惧される"主治医不在"で割を食うのは患者なのか

7分で読める
手術のイメージ
医師の働き方改革で医療はどう変わるのか?(写真:Gerain0812/PIXTA)
  • 松永 正訓 医師・ノンフィクション作家
2/4 PAGES

現在、千葉大病院の医師たちは発信器を身につけている。院内の様々な場所に受信機が設置されているので、すべての職員の1日の動きが自動的に記録されている。

医師は仕事が終わると業務用PCの前に座り、自分の行動を「業務」なのか「自己研鑽」なのかをプルダウンメニューで入力する。

「業務」というのは外来診療をやったり、手術をしたりとかである。学生教育も当然その中に含まれる。夜間に呼び出されて手術をすればそれは時間外の「業務」である。つまりちゃんと時間外手当がつく。

一方、ちょっと聞きなれない「自己研鑽」とは、学術集会の準備をするとか、専門医取得のために症例登録をするとか、明日の手術に備えて勉強するとか、夕方から教室の抄読会に参加するとかのことだ。

現場からも経営陣からも議論百出し、結局、自己研鑽に含まれたのが、なんと研究である。これはまったくおかしな話で、研究は大学病院の人間にとって、診療・教育と並ぶ最も重要な柱である。その研究が自己研鑽なのだから意味が分からない。

医師の生活は楽になるが…割を食うのは「患者の側」

ぼくが大学病院で働いていたときは、教授室の灯りが消えるまで帰れないという生活を送っていたが、今はそんなことはない。

医局員たちは定時になって仕事がなければさっさと帰る。いや、帰るようにと教授が医局員を指導している。教室を維持するためには管理・運営の事務仕事が山ほどあり、現在は教授がそういった仕事を一手にこなしているので、帰宅が一番遅いのは教授である。

365日働く英雄は大学病院にはもはやいない。幕内先生の言葉が真実ならば、「よい医療」ではないかもしれない。

3/4 PAGES
4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数