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時事評論の賞味期限は短い。いかにすぐれた分析でも、情勢や社会の雰囲気が変われば陳腐になる。ここで紹介する国際政治学者の高坂正堯(1934−96)の時事評論は、四半世紀以上経った今でも色あせない。
高坂はテレビにもしばしば出演し、やわらかな関西弁で鋭い指摘をした。筆者は大学生の頃、京都大学の友人に頼んで、当時京大教授だった高坂の授業に紛れ込んだことがあった。一度のことだが、話題は幅広く、教養があふれながらイヤミでない講義に感動した。
本書は、冷戦終結後の日本と世界の混乱について論じた、晩年の評論集だ。高坂の議論には、政治学者としての知見の背景に歴史への深い洞察がある。だから短期的な予測やその時点での為政者への過剰な批判にならず、腐臭を放たず、長く読むに価するのであろう。
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