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スマートグラスの字幕で目が合わない問題、網膜に直接映す技術とコンタクトレンズが解決する未来

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TDKが展示した網膜直接描画方式のスマートグラスの試作機
TDKが展示した網膜直接描画方式のスマートグラスの試作機。左のレンズに見える四角い部分がメタオプティクスミラーだ(写真:筆者撮影)
  • 石井 徹 モバイル・ITライター
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光源は弱いレーザーだけなので、消費電力は今の導波路方式のスマートグラスより小さい。普通のメガネと違う部品は、レーザーの光源とレンズに埋めたミラーだけだ。

メガネのレンズに収まる超薄型ミラー

網膜直接描画そのものは新しい方式ではない。横から入れたレーザー光を目に向けて曲げるために、これまでは目の前に厚みのある曲面ミラーを置く必要があった。ミラーが前に飛び出すので、普通のメガネの形にならなかった。

TDKが開発したメタオプティクスミラーは、このミラーをレンズの中に埋める。透明な基板の上にナノサイズの反射体を並べ、場所ごとに反射する角度を変えることで、平面のまま曲面ミラーと同じ働きをする。厚さは150nmと可視光の波長より薄く、可視光の透過率は80%だ。

メタオプティクスミラーの説明パネル。14×10mmのミラーの表面に、ナノサイズの反射体が並ぶ(写真:筆者撮影)

デモ機は、テンプルの付け根に箱型のレーザー光源を付けた金属フレームのメガネで、レンズに埋めたミラーは小さな四角として見える程度だった。展示には開発段階ごとのレンズも並び、初期のものは四角いミラーがはっきり見えたが、レンズと屈折率を合わせた最新のものは輪郭がかすかに見える程度になった。映像は装着者の網膜にしか届かないので、向かいに座った人には何も見えない。TDKは半導体と同じプロセスで製造できるとしており、導波路ディスプレイより安く量産することを目指す。

テーブルに置いた試作機。テンプル(つる)の付け根に箱型の光源ユニットを付けている(写真:筆者撮影)
ミラーを埋め込んだレンズの開発段階。右端の最新のレンズは屈折率をレンズに合わせ、ミラーの輪郭がかすかに見える程度になった(写真:筆者撮影)

デモ機が緑一色の映像しか出せないのは、ミラーの構造に理由がある。赤・緑・青のレーザーは波長が違うので、それぞれに合わせた反射体のパターンが必要になる。3色分を重ねると視界がやや暗くなり、メガネの見栄えも落ちるため、今回は緑だけに絞った。TDKは数年以内にフルカラー対応を実証し、量産化を目指す。

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