iPhone Duoでは簡単な操作で分割できる一方で、使い方はシンプルなものに制限されている。iPadの場合はかなり自由に画面分割ができるのだが、iPhone Duoは「iPhoneだから」シンプルな方向に倒した……ということなのだろう。その分、操作に迷うことはなく簡単だ。
また、iPhone Duoの画面に合わせてアプリを使うには、アプリ側の最適化も必要になる。最適化されていないアプリでは、「画面右側の領域」をうまく活かせないし、内側の広いディスプレイを活かせない。以下はiPhone版のMicrosoft Wordの例だが、まだ最適化されていないので、画面の中央に、iPhoneのように細長い画面が出るだけだ。
Androidベース、例えばGalaxy Z Fold8の場合には、「設定」の中に「画面比に合わせた最適化がなされていないとき、どう表示するのか」の設定がある。ここを修正することで、対応が進んでいないアプリでもアプリを全画面に広げての表示は可能だ。
「アプリ最適化」を巡る事情の「プラスとマイナス」
これはどちらがいいのか?
iPhone Duoでは縦に狭い画面を有効に活かすことで、電波やバッテリー表示、メニューの一部を上下から左右に移動させている。ここを最適化する要素を入れれば、Androidスマホよりも画面サイズの不利を感じづらいものになる。そういう意味では、アップルはかなり配慮してOSをカスタマイズした、と言えるだろう。
だがそのためには、アプリの最適化作業を「アプリのデベロッパーが」行なう必要がある。
iPhone Duoが発売された段階では、多くのアプリがまだ、Duo最適化を終えていない。使い始めてみると、びっくりするくらい「Duoの価値を活かせない」状態のアプリばかりで驚くだろう。
この点では、設定が複雑化するものの、とりあえず多くのアプリが広い画面でも使える、Androidのほうが良い……と感じるかもしれない。
一方で、「とりあえずアプリが使える」状態だと、完全な最適化をするアプリのデベロッパーは減る。いつまでも「画面が広くなるだけ」だ。
アップルのプラットフォームでは、良くも悪くも「アプリの最適化」が進みやすい。アップルがアプリストアへの申請時に「一定の最適化」を必須としてくる点、そして、iPhone Duoを買うような消費者は、アプリに費用を支払う優良な顧客である比率が高い、という点の合わせ技だ。
レビューのために機材貸出を受けた当日には、アップルのアプリ以外でiPhone Duoに最適化されたアプリはほとんどなかった。だが、数日でみるみる増え始めた。一定の時間をかければ、アプリの最適化問題には一定の成果が出るのではないだろうか。
iPhone Duoの使い勝手は良好だ。開くときの感触も、ディスプレイの品質も、高価な製品だけのことはある、と感じる。
アプリ最適化という課題があり、使い始めた1日目には「これはイマイチだ」と思う可能性が高い。だが、前出のように、この課題は時間が解決する可能性が高い。そういう意味では、欠品により入手に時間がかかるのも良しあし、と言えそうだ。


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