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《ビール4社カルテル疑惑》"泡と消える"消費者の信頼…もし課徴金が巨額でも「取り戻すのは困難」な理不尽

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ビール カルテル疑惑
背景には、日本の悪しき「仲間意識」文化があった(写真:編集部撮影)
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今回のカルテル疑惑が通常の独占禁止法違反事件と大きく異なるのは、公取委が最初から「犯則調査」という手続きを採用したことである。公取委は独立性の高い行政委員会として、強力な行政権限を有している。通常は行政調査によって違反を認定し、排除措置命令や課徴金納付命令といった行政処分で対処する。

(写真:Ystudio / PIXTA)

これに対し犯則調査は、刑事告発を視野に入れ裁判官の許可状に基づいて捜索や差し押えを行う特別な調査だ。公取委は、国民生活に大きな影響を及ぼす悪質かつ重大なカルテル事件などについて、刑事告発を積極的に行う方針を示している。

今回、犯則調査に踏み切ったことは、公取委が事件を極めて重大に受け止めていることを意味する。今後、公取委が刑事告発を行えば、検察官が起訴の可否を判断し、起訴された場合には刑事裁判で企業や関係者の刑事責任が問われることになる。行政処分に加えて刑事責任が問われる可能性があるという点で、今回の事件の重大性は際立っている。

たとえ巨額の課徴金が納められても、消費者には戻らない

独占禁止法には、カルテルに対する金銭的な制裁として課徴金制度がある。価格カルテルの場合、大企業については原則として対象商品・役務の売上額などに10%の算定率を適用する仕組みである。また、もし刑事裁判で有罪となれば、法人に対する罰金や関係者に対する刑罰も問題となる。

しかし、ここで考えなければならないのが、実際に被害を受けた消費者の救済である。仮に価格カルテルによってビールの出荷価格が不当に高く維持され、その影響が小売価格にも及んでいたとすれば、消費者は本来より高い価格で商品を購入させられていたことになる。

ところが、課徴金は国庫に納付されるのであって、消費者に返金されるわけではない。景品表示法には、違反事業者が消費者に自主的な返金を行った場合、その返金額を課徴金から減額する制度がある。一方、独占禁止法の価格カルテルには同様の制度がない。つまり、課徴金による制裁は行われても、広範な消費者の少額被害が回復されないという問題が残る。

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