競争相手であるはずの企業が、同じ業界の仲間として協調する。激しい競争によって互いに傷つくことを避け、暗黙の了解や情報交換によって秩序を維持しようとする。企業同士の仲間意識が強くなりすぎれば、消費者はその輪の外に置かれる。そうして消費者の利益を犠牲にすることは許されない。
縮む国内市場 値上げは各社の独自判断だったのか?
背景には市場環境の変化もある。ビール市場は長期的に縮小傾向だ。人口構造の変化や若者の飲酒離れ、消費者の嗜好の多様化などによって、従来のビール市場は成長を期待しにくくなっている。市場が拡大している時代には、各社は販売数量を増やすことで利益を確保できる。しかし、市場が縮小すると、価格競争による利益の減少を避けようとする誘因が強くなる。
加えて、近年は原材料費、エネルギー費、物流費などの上昇が続いた。実際に大手各社は、2022年10月以降数度にわたって、原材料費の高騰などを理由にビール類の価格改定を繰り返してきた。消費者も価格改定を飲み込んできたが、今回の疑惑によって、各社が本当に独立して価格を決定していたのかという疑問が生じる。値上げ自体には合理的な理由があったとしても、それを競争相手と相談して決めることは許されない。


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