カルテル疑惑が事実だとすれば、これは単なる企業間の不正行為ではなく、国民の日常生活に広く影響する重大な消費者問題である。しかも、仮に消費者が余分に支払わされていたとしても、それを取り戻すのは容易ではない。
業界の会合「一木会」で調整が図られた疑い
今回の事件で注目されるのが、「一木会(いちもくかい)」と呼ばれる会合の存在である。日本経済新聞などの報道によれば、大手4社の営業担当課長らは、業界団体であるビール酒造組合の関係会合として毎月第1木曜日に顔を合わせていた。そして、その会合に合わせて非公式の「裏会合」を開き、値上げの時期や幅について情報交換や調整を行っていた疑いがあるという。
業界団体が存在すること自体に問題はない。酒税制度への対応や品質管理、適正な表示、業界共通の課題への取り組みなど、正当な役割がある。しかし、競争相手が定期的に集まる仕組みは、運用を誤ればカルテルの温床となる。
懸念されるのは、日常的な業界内の付き合いの延長として、カルテルに向けた意思形成が行われていた可能性である。日本の産業界には、同業他社との情報交換や協調を重視する慣行がみられる。そのような関係の中では、値上げを相談することへの抵抗感が薄れていくおそれがある。


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