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一見して「右派回帰」に映るスペイン総選挙が持つ〈別の顔〉…ヨーロッパの政治情勢を読み違えないための基礎知識

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10月5日、スペイン・バルセロナ中心部で行われた住宅の権利をめぐるデモ。サンチェス首相は住宅価格高騰を抑制する法案を提出したが、下院で否決された(写真:ブルームバーグ)
  • 土田 陽介 三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員

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スペインのペドロ・サンチェス首相が10月5日、下院(代議院)を解散し、11月29日に総選挙を行うと発表した。サンチェス首相が率いる中道左派の与党・社会労働党(PSOE)の人気は低迷しているため、総選挙を経て、ライバル政党で中道右派の国民党(PP)と、右派のVoxによる連立政権へ交代する公算が大きい。

欧州を中心にロシア、トルコ、新興国のマクロ経済、経済政策、政治情勢などについて調査・研究を行うエコノミストによるリポート

サンチェス首相が議会を解散した直接的な理由は、高騰する家賃の抑制案が下院で否決されたことにある。少数与党政権を率いるサンチェス首相は国民に信を問うことにしたわけだが、自身の周辺で醜聞が相次いでいることもあり、旗色は悪い。地域ナショナリズム政党の支援を得ようとするが、PSOE政権が継続する可能性はかなり低そうだ。

総選挙次第で、スペイン政治は「右派回帰」しそうだが、その右派についても多様性に富んでおり、汎ヨーロッパ的なメガトレンドとしての右派回帰を重ね合わせるのはミスリードになる。そもそも反EU(欧州連合)的な性格を持つ右派回帰を、汎ヨーロッパ的な現象ととらえていいかという疑問もある。現にオランダやスウェーデンでは、右派政権が敗北している。

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