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不安な人に効くのは「優しい言葉」「手を握る」どっち? 病院の待合室で年配夫婦が教えてくれた"幸せホルモン"の増やし方

6分で読める
手を握る 幸福感とは身体感覚である
触れ合いや体温といった身体感覚が与える心の変化とは?(写真:Taka/PIXTA)
  • 山口 創 桜美林大学教授、臨床発達心理士
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興味深いことに、肌に触れなくてもオキシトシンは増えます。

優しい言葉をかけられたとき、誰かに共感されたときにもオキシトシンは分泌されます。しかし最も強く働くのは、やはり身体的な触れ合いです。握手、ハグ、肩に手を置く。そうした小さな接触が、脳に「安全」という信号を送ります。

人間にとって安心とは、頭で考えるものではありません。まずは、身体で感じるものなのです。

オキシトシンとは何か

オキシトシンは1906年、イギリスの生理学者ヘンリー・デールによって発見されたペプチドホルモンです(ペプチドとは、アミノ酸がいくつか連なった小さなタンパク質の断片のことです)。脳の視床下部で作られ、下垂体後葉から血液中に放出されるほか、脳内の神経回路にも直接作用します。

「絆ホルモン」「愛情ホルモン」という別名が広く知られていますが、その作用はこのような感情だけに留まりません。体温調節、骨の維持、心臓の保護、免疫の強化、睡眠の質の向上などなど、非常に多機能な物質です。

もともとオキシトシンは、哺乳類が進化する過程で「出産・授乳・育児」のための物質として発達してきました。出産時に子宮を収縮させ、授乳時に乳を押し出す。これがオキシトシンの原始的な役割です。

しかし進化の過程で、その機能は大きく広がりました。「子どもを守る」という行動の根底にある「他者との絆」という感情を支える神経基盤へと進化したのです。

では、オキシトシンが絆(つながりの感覚)を支えるメカニズムについて見ていきましょう。

アメリカの神経科学者イナガキらは、興味深い研究を行いました。参加者に1週間にわたり、「今日、どのくらい人とつながっている感覚があるか」について尋ねると同時に、深部体温を繰り返し記録してもらったのです。

すると、つながりの感覚が強い日は体温が高く、孤独を感じる日は体温が低い傾向があったのです。「心の温かさ」と「体の温かさ」が、見事に連動していたのです。

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