ただし、これは「つながりを感じると体温が上がる」という一方向の関係かもしれないし、逆の関係も成り立つ可能性があります。つまり「体温が高いと、つながりを感じやすくなる」可能性もありますね。研究者たちもこの可能性を認めており、因果の向きはまだ断定できません。
「温かいおしぼり」でホッとする訳
この「逆方向の可能性」を実験で確かめたのが、アメリカの行動経済学者であるウィリアムズとバーグの研究です。
彼らは参加者に紙コップに入った「温かいコーヒー」または「冷たいコーヒー」を手渡し、直後に初対面の人物の印象を評価させました。すると、温かいコーヒーを持った人は、冷たいコーヒーを持った人と比べて、その相手を「温かな人柄だ」と評価する傾向が有意に高かったのです。
手のひらの温度が人の印象まで変えてしまう。これは「脳が温度の感覚を、社会的な温かさと同じ回路で処理している」ことを示しています。
「温かいおしぼりを出す」というサービスが、単なる衛生上の習慣に留まらず、「おもてなし」の意味を持つのは、こういう理由もあるのです。



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