■シュタドラー
毎回、大量の車両を会場へ持ち込むスイスのシュタドラーは、今回も意欲的な展示だった。中でも注目を集めたのは、スイスの貨物用機関車「Euro DuFour」(Re494型)と、イタリアのサルデーニャ島向けの水素車両だ。
Euro DuFourは、スイス連邦鉄道向けとしては久しぶりの新型機で、Euro Dualなど同社既存のプラットフォームとは異なる、貨物輸送に最適化した新技術を導入した。スイス以外に、周辺国のドイツやオーストリアの認可を取得し、電圧はスイス国内の交流15kV以外に交流25kVも搭載。連続定格出力は7000kWに達し、発注36両中22両にはバッテリーによるラストマイルを実現、無架線区間でも600kWの出力を誇る。
新技術最大の目玉は、新設計となった操舵車輪で、曲線区間での軌道摩耗を大幅に減少させることに成功している。この技術はまだ非公開のため、床下へ潜り込んでの撮影ができないように鉄板で台車部分をカバーする対策が施されていた。
一方で、本線級の機関車にもかかわらず、重量は80tに抑えられ、欧州の機関車としてはかなり低い軸重20tを実現。軌道の弱いローカル線での運用も可能となり、また軌道へ与える影響が少ないことから線路使用料の低減にもつながるとしている。また、現在開発中のデジタル連結器(DAC)や、鉄道移動通信システムFRMCSといった最新のデジタル機器の実装にも対応させた。シーメンスのヴェクトロンしかり、最新のトレンドは機械的な技術革新に加え、IT技術との親和性も重要になっている。
4年前と比べて激減「水素車両」
サルデーニャ島向けの車両は、狭軌用としては世界初となる水素燃料電池車両だ。2028年から営業を開始する予定で、10本が製造され、島内の狭軌路線で使用される。
2022年のイノトランスでは各メーカーがこぞって水素燃料電池車両を展示し、時代の流れは水素にありと思わせたが、4年で流れはまったく変わり、今回展示された水素車両はこの車両を含めてたったの2台だけだった。

