当初はAMANDAという観測施設で実験を行っていましたが、いくつかの問題点が見つかり、2009年に運転を終了しました。その経験をもとに作られた新しい施設がアイスキューブ・ニュートリノ観測所でした。この実験施設は地下1450〜2450mの深さに造られ、氷や測定器を大規模化させての再チャレンジとなりました。
そして2010年から3年間観測所を稼働させ続けて蓄積したデータを解析してみた結果、明らかに高エネルギーのニュートリノが多く検出されることがわかりました。
緑線は地球の大気圏で生成されるニュートリノの数の理論予測で、白丸が実際に観測されたニュートリノの数です。明らかに高エネルギー領域でのニュートリノの数を大気圏での生成個数で説明できていないことがわかります。
ということは、高エネルギーニュートリノの大半は宇宙のどこかからやってきたニュートリノに間違いないのです!
天体の謎を解き明かす手がかりに
これらのニュートリノのデータをさらに蓄積や解析することで、「遠く離れた天体の内部で何が起きているのか」や「どうやって天体が形成されたか」などの謎を解明する手がかりになると期待されています。
その意味で、人類はまた1つ、宇宙を理解するための手段を手に入れたのです。
宇宙から飛来する様々な「メッセージ」を組み合わせて宇宙の描像を捉える研究や方法を総称してマルチメッセンジャー天文学と呼びます。
この「メッセージ」として代表的なのは、光(可視光)やガンマ線などの電磁波、重力の変化が波として伝わる現象である重力波、そして今回受賞したニュートリノのような素粒子たちです。


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