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「日本版エヌビディア」は探す必要ナシ…《フィジカルAI》で覚醒する"五感・筋肉・関節・神経"を担える日本企業の強み

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フィジカルAI
日本の投資家にとって、「フィジカルAI」のテーマは特に重要です(写真:kapinon/PIXTA)
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生成AIがこれまで変えてきたのは、文章、画像、コード、検索といったデジタルの仕事でした。これはこれで非常に大きな変化です。

しかし、現実の経済活動の多くは、まだ画面の外にあります。工場で物をつくる。倉庫で運ぶ。道路を走る。介護をする。検査をする。建設現場で足場を組み立て、建物を建てる。こうした仕事は、最後まで物理世界と向き合わなければなりません。

そして、ここが難しいところでもあります。画面の中のAIは、多少の誤答があってもやり直しが利く場面があります。しかし現実世界では、誤認識や誤作動は事故や損失につながります。場合によっては人命にもかかわります。

ですから、フィジカルAIには生成AI以上に高い安全性やセンサー精度、制御技術、検証環境などが求められます。文章生成よりもずっと泥くさく、より総合力が問われる世界なのです。

だからこそ、供給側の目線で見れば、フィジカルAIは非常に面白いテーマです。必要になるのはAIモデルだけではありません。センサー、モーター、減速機、電子部品、アナログ半導体、通信、電源、シミュレーション、実装技術、保守運用まで、実に多くの産業がかかわります。裾野が広いのです。これは、投資先の候補が広がることも意味します。

フィジカルAIでも主役はやはりエヌビディア

この分野でも、やはりエヌビディアの存在は巨大です。なぜなら同社は、単にGPU(高度なグラフィックス処理を行う半導体チップ)を売っているだけではないからです。

フィジカルAIに必要な「学習の計算資源」「仮想空間での検証」「現場で動かすための計算機」という3つの層を、まとめて押さえにいっています。

少しわかりやすく言い換えましょう。

まず、AIを賢くするには、データセンターで大量に学習させる必要があります。ここでGPUが必要です。

次に、実機をいきなり動かすのは危険ですから、仮想空間で何度も練習させます。ここでデジタルツイン(現実世界にある工場、倉庫、道路などから集めたデータをもとに、コンピュータ上の仮想空間でリアル空間を再現して、シミュレーションや分析を行うことで課題解決をする技術)やシミュレーション基盤が必要になります。

さらに、実際のロボットや自動車の中でAIを動かすには、小型で高性能な計算機が必要です。

エヌビディアは、この3つ全部に手を伸ばしています。

特に重要なのが、デジタルツインです。現実世界をそのまま試験場にするわけにはいきません。ロボットが失敗するたびに、人や設備へぶつかっていては困ります。自動運転の学習のたびに実際の道路を使うのも非現実的です。

そこで、まずは仮想空間で何度も学習し、検証し、さらに失敗させる必要があります。

フィジカルAIの世界では、この「練習場」(=デジタルツイン)を押さえる企業が強いのです。エヌビディアは、そこまで含めて土台をつくろうとしています。

これが、エヌビディアがフィジカルAIでも強い理由です。単に頭脳を売っているのではありません。学習の工場も、練習場も、現場の計算機も、全部まとめて囲い込みにいっているのです。生成AIの覇権争いが、今度は現実世界でも起きようとしているのです。

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