本作の主人公は、1897年(明治30年)に山口県岩国に生まれた葉野珠。実母が2歳のときに亡くなり、父と後妻の継母・リョウ(国仲涼子)によって育てられる。珠は女学校を卒業後、代用教員として働き始めるが解雇され、故郷の岩国を追われることになり、親戚を頼って上京する。そこから、幼き日の夢を強く意識し、小説の懸賞応募から、作家の道を切り開いていく。
しかし、世の中は人々の価値観も社会そのものも大きく揺れ動く時代。大正から昭和にかけて、関東大震災や戦争、結婚、離婚、倒産、借金と、珠はさまざまな困難に翻弄されながら、作家として生きることに向き合う。
そして、小説家として花を咲かせる。ときには誤解されて敵を作り、人を傷つけ自身も傷つきながら、自由を求めて生きることに正直であり続けた珠は、小説に思いを忍ばせることで、読む人に「幸せ」を運んでいく。
初回視聴率は高くないがSNSでは好評
その初回の世帯平均視聴率は15.5%の好スタート。2020年以降の朝ドラと比較すると、前作『風、薫る』14.9%、『あんぱん』(2025年前期)15.4%を上回る一方、ほか作品には届かなかった(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)。
近年の連続ドラマのほとんどが視聴率ひと桁になる時勢のなか、ヒットスタートであることは間違いない。ただ、世間が関心を寄せる朝ドラとしてはそこまで高い数字ではない。
その背景には、ここ数年でテレビドラマ全体の視聴率が下がっていることに加えて、前作『風、薫る』が最終話14.5%、全話平均13.8%(歴代ワースト3位タイ)という低調だった流れの影響を受けたスタートになったことがあるだろう。
一方、SNSやネットニュースは初回から盛り上がっており、そのリアクションはおおむね好評だ。肌感覚としては、過去作と比べても、近年まれに見る熱量があるように感じる。この先、世の中的な話題作になることが十分期待できる出足になっているのではないだろうか。


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