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ビジネス #鉄道最前線

花咲線と釧網本線を廃止できない「北の最果て」の現実 ロシア国境最前線の街、鉄道を維持すべき理由

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日本の最東端駅である根室駅(筆者撮影)
  • 櫛田 泉 経済ジャーナリスト
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根室市内では、市民の話を聞くこともできた。2022年のロシア軍によるウクライナ侵攻以降、ロシアが実効支配する北方領土付近の海域で、日本の漁船がロシア国境警備隊から臨検を受けたり、ロシアが軍事演習を活発化したりと動きを見せているという。

「根室市の納沙布岬から3.7km先にロシアが実効支配する歯舞群島の貝殻島がありますが、その中間線となる1.85km沖合の海上が事実上の国境となっています。この付近で操業するコンブ漁船がロシア国境警備隊から臨検を受けるケースが増えており、違反が見つかった場合には国後島の古釜布に連行され、しばらく日本に帰れなくなるというケースもあるようです。最近では、ロシア軍が国後島近海の海域で軍事演習を活発化していることから、根室港の沖合で砲撃の閃光が見えることもあります。また砲弾の衝撃波で自宅の窓ガラスが揺れることもありました」

8月にはロシアのプーチン大統領が初めて、日本が返還を求めている択捉島を訪問している。

ロシア人の納沙布岬不法上陸事件も

筆者は、翌日、実際に納沙布岬まで行ってみることにした。根室駅前バスターミナルから納沙布岬までは平日は1日5往復、土休日は1日4往復のバスが運行されており、所要時間は44分だ。

納沙布岬にある「望郷の家・北方館」の望遠鏡からは、7km対岸にある水晶島のロシア国境警備隊の監視小屋がはっきりと見えた。日によっては兵士や警備艇の姿が見えることもあるという。

ロシア国境警備隊の監視小屋(筆者撮影)

この海域で漁船がロシア国境警備隊から銃撃を受け死者が出ることもあったという。2006年8月16日に発生した第31吉進丸事件のことだ。歯舞群島の水晶島付近の海域で操業中だった根室市花咲港所属のカニかご漁船「第31吉進丸」がロシア国境警備局の警備艇により追跡され、貝殻島付近で銃撃・拿捕された。この時、頭部に銃撃を受けた乗組員1人が死亡した。ロシアからの銃撃事件は2010年にも発生している。

また、2007年にはロシア人漁師の納沙布岬不法上陸事件が発生。不審船の存在に気づいた地元漁業者からの通報により駆け付けた根室署員に、旅券を持っていないとして逮捕されている。

納沙布岬には根室警察署納沙布駐在所が置かれ警察官が住み込みで勤務している。さらに駐在所にはコンクリート製の監視塔が隣接しており、ロシアとのにらみ合いが続いていると言っても過言ではない状態だ。

【写真を見る】花咲線と釧網本線を廃止できない「北の最果て」の現実 ロシア国境最前線の街、鉄道を維持すべき理由(5枚)
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