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朝ドラ《ブラッサム》宇野千代が生きた時代に起きた"ミスコン"巡る大騒動…「1位になったのに」裏にあったまさかの事態

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末広ヒロ子(写真:近現代PL/アフロ)
  • 真山 知幸 伝記作家、偉人研究家、芸術修士(MFA)
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1位 末広ヒロ子 16歳 小倉市室町
2位 金田ケン子 19歳 仙台市東四番町
3位 土屋ノブ子 19歳 宇都宮市上河原町

グランプリに輝いた末広ヒロ子は、福岡県小倉市長の娘で、学習院女学部中等科の3年生だった。良家のお嬢様である。

紙面は、日本一の美人が決まったことを興奮気味に書き立てている。

「世界美人競争の候補者を出さんが為め本社が主催して募集せる日本全国美人写真に対する審査の結果はいよいよ別項に発表したり。即ち本社が挑戦者たる『シカゴトリビューン』社に送りて世界の競争に加はらしめんとする日本一の美人は福岡県小倉市長末広直方氏の令嬢のヒロ子と確定する」

記者が賞品を持って、ヒロ子のところを訪ねる様子も記事になっており、最初に出た義兄が「ヘエ、全国一等に、これは意外です。事実でしょうか」と驚きのコメントを寄せている。

新聞社はあらかじめ、この日はヒロ子に家にいるようにと伝えてあったらしく、義兄がヒロ子を呼びにいっている。その間の記者の興奮さえも記事にしている。

「嗚呼日本一の美人、或はやがて世界一の美人たらんとするその美人は今わが眼の前に現はれんとしつつあるなり」

現れたヒロ子は、写真よりもさらに美しく、記者は大喜び。賞品のダイヤモンドの指輪を手渡されると「まあ大きなダイヤモンド!」と、ヒロ子は驚きを見せたという。

微笑ましい場面だが、この先にもっと驚くべき展開が待っているとは、このときは誰も知る由もなかった。

本人が写真を送ったわけではない

実は、この美人コンテストは、ヒロ子自身が写真を送ったわけではなかった。送ったのは、義兄である。紙面では「全く私の物好きから、本人のヒロ子には勿論、妻にも無断で出したのです」と義兄がコメントしている。

慌てたのはヒロ子である。選考の過程で、友人に「あなたが出ているわよ」と言われても、「いいえ、私ではありません」という返事で貫いたという。そして、義兄には、こんなお願いもしている。

「もし万が一、3等にでも入ろうものなら、また学校がうるさいから、どうかしてそんなことのないようにしてもらいたい」

しかし、このヒロ子の心配は、想像以上にダメージの大きいかたちで、現実になってしまう。ヒロ子が在籍していた学習院女学部は、風紀を重んじる校風だった。

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