レース後半、筆者はトヨタ関係者らとマシンの走行音が直接聞こえるピット上部エリアでモニターと肉眼でレースの動きを追ったが、正直なところ「まさか勝つとは!」というのが本音だった。
厳しいレース展開の中、チームに携わる全員が徹底的に勝ちにこだわり、最後の最後で大胆なピット戦略を打つという見事な展開に驚いた。
「GR GT3」は2027年シリーズデビューを目指す
こうしたモータースポーツ活動を、量産ビジネスにどう生かすのか?
WEC富士決勝スタートの2時間前、トヨタ自動車代表取締役副社長・CTO(最高技術責任者)でありTR会長である中嶋裕樹氏に話を聞いた。
まず、「GR GT」と「GR GT3」の発売時期だ。現状では「2027年頃」としているが、これは2027年にWEC等でGT3が参戦し、それにともなってGR GTが発売されるということかと尋ねた。
これに対して中嶋副社長は「基本的にその認識で間違いない」としたうえで、GR GT3はカスタマーモータースポーツ領域でハードウェアとカスタマーサポートを「セットで事業化していく」と全体の方針を示した。
ただし、来シーズンのどのタイミングでGR GT3が実戦デビューするかについては、開発は着実進んでいるものの「最後の最後の仕上げでミスがないように、(レースに参戦する)お客様にご迷惑にならないよう、万全を期してデビューさせたい」とした。
つまり、GR GT3とは“ニワトリと卵”の関係にあるGR GTの発売時期についても流動的だと考えられる。
GR GTは、新開発の4リッターV8ツインターボエンジンと1モーターのハイブリッドシステムを搭載。システム最大出力650ps以上、システム最大トルク850Nmを開発目標値とする、GRのフラッグシップモデルだ。
もう1点、気になるのが「GRスーパースポーツコンセプト」の行方である。


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