こうした中、岩屋毅前外相が、9月28日、29日と北京で中国の王毅外相や何立峰副首相とそれぞれ会談した。
岩屋氏が日本国際貿易促進協会の会長としての立場で中国政府の外交や経済を取り仕切る要人2人と個別に会談したことは、意義あることだ。
2人は、高市首相の台湾有事を巡る国会答弁を改めて問題視し、日本の防衛力強化の動きも「軍国主義」と糾弾したが、王毅氏が高市発言について撤回ではなく修正を求めたこと、そして何立峰氏も「誤った言動を乗り越えたあとに発展はある」などと語ったことは、一見、中国側の態度の軟化を思わせるものだ。
中国側は反高市勢力が出来上がることを望んでいる
ただ、岩屋氏は石破内閣で外相を務めた人物で、高市首相ら保守系政治家とは一線を画し「親中派」などと見られてきた議員である。
岩屋氏のほかに、高市政権の外交、とりわけ対中政策に疑問を持つ石破前首相や森山裕前自民党幹事長、さらに第2次高市改造内閣で閣僚から外れた林芳正前総務相や、参議院自民党の幹事長を外され、独自で40人規模のグループを作った石井準一氏らが結集すれば、一定の反高市勢力が出来上がることを中国側はよく理解している。
もっと言えば、「そうなることを望んでいる」(前出の清華大学教授)と考えていい。
高市首相が臨む秋の臨時国会は、自民党内にも不満が根強い消費税減税関連法案や衆議院議員定数削減法案など内政での課題が焦点となる。しかし、中国からは敵視され、頼みのアメリカからも最重要視してもらえない高市首相は、外交面でも厳しい局面を迎えることになりそうだ。


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