紙の雑誌や書籍を取り巻く環境は厳しさを増している。電子化の進展に加え、燃料費や印刷費の高騰も重荷となっている。そんな逆風の中でも、著名媒体を数多く抱えるマガジンハウスは16期連続で営業黒字を確保している。紙媒体で培った高いブランド力や編集力を武器に、雑誌の枠を超えた事業にも活路を広げている。
雑誌の海外展開も
福岡市を中心に不動産開発などを手掛けるLANDICホールディングスは9月上旬、マガジンハウスが発行するポップカルチャーの総合誌「BRUTUS(ブルータス)」と業務提携契約を結んだと発表した。福岡の中心地の博多エリアにおいて「街と暮らしを編集する」をテーマに、街づくりに携わっていく。
ブルータスは創刊から40年以上にわたり、独自の視点でカルチャー、ライフスタイルなどを編集しており、その知見を生かす。新拠点は来春のグランドオープンを目指している。LANDICホールディングスは「編集力が高く、知名度のある媒体で、影響度は大きい」と期待を寄せる。

マガジンハウスは、ブルータスだけでなく、「anan(アンアン)」「POPEYE(ポパイ)」「Tarzan (ターザン)」、「クロワッサン」など10誌の定期刊行雑誌を発行しており、いずれも高い知名度とブランド力を誇る。また、近年は海外展開やIP戦略にも力を入れ、紙媒体で培ってきたブランドの価値を新たな収益源につなげようとしている。
まず力を入れるのが、雑誌の海外展開だ。
2025年にはポパイとブルータスの東京特集を英語版として刊行した。訪日外国人だけでなく海外でも売れ行きが好調で、重版となった。2026年にはポパイ、ブルータスに加え、「Casa BRUTUS(カーサブルータス)」の英語版も発行している。アメリカでより多くの書店に並べてもらえるよう、販路の開拓も進めている。海外での雑誌ブランドの認知度は高く、ポパイのInstagramフォロワー約90万人のうち、約半数を海外ユーザーが占めるという。


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