雑誌で培ったコンテンツやブランドを、紙の外へ広げる取り組みも進む。
ブルータスでは、特集テーマと連動したオリジナル動画を制作し、YouTubeのチャンネル登録者数は15万人を超える。さらに、誌面で紹介した飲食店やショップを記事とともに楽しめる地図アプリも提供している。
ポパイでは、ファッション誌として培ってきたブランド力を生かし、オリジナルのアパレル商品を企画。ECなどを通じて販売するなど、雑誌そのものにとどまらない事業へと展開している。
巧みなIP戦略
雑誌以外にも、新たな鉱脈がある。IP(知的財産)だ。
韓国発の学習漫画を日本向けに翻訳・再編集した「つかめ!理科ダマン」は、日韓累計400万部を突破した。科学の知識を伝えるだけでなく、強烈なギャグを織り交ぜ、子どもが自ら手に取りたくなる作品に仕立てた。
ヒット後の展開も書籍だけにとどまらない。YouTubeでのアニメ配信をはじめ、実験ショーやキャラクターグッズの販売など、作品を起点にビジネスを広げている。まず読者から支持される本をつくり、そこで育った人気をIPとして多方面に展開している。
IPを生み出す有力分野である漫画にも参入した。大手出版社に比べれば後発だが、電子書店との取引を広げ、異世界ものや女性向け作品を増やしてきた。南Q太氏の「ボールアンドチェイン」といったヒット作も生まれてきた。
こうした新たな事業に相次いで取り組む一方、足元の業績も堅調だ。
2025年9月期の売上高は約131億円と前期比5.8%増。営業利益、経常利益はいずれも10億円を超え、営業黒字は16期連続となり、発行する10誌のうち8誌が黒字だったという。2026年9月期の売上高と営業利益も前期を上回るペースだという。

業績を支える中心にあるのは、アンアンを中心とする紙の雑誌だ。定期誌の部数は長期的に減少傾向にあるものの、価格改定や返品率の改善、特別号の販売などによって収益力を高めている。専門性の高いテーマや保存したくなるビジュアル、ファン心理を捉えた仕掛けなど、紙だからこその付加価値を高めることで、価格を引き上げても購入する読者をつかんでいる。


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