アンアンは、同じ内容でも複数の表紙を展開し、タレントやアニメキャラクター、スポーツ選手を表紙に起用する。北海道日本ハムファイターズを特集した号にはトレーディングカード、アニメを扱った号にはシールを付けるなど、特集に合わせて付加価値を変えている。また、2025年の大阪・関西万博を取り上げ、「万博と建築」「万博最終案内」をテーマとしたカーサブルータスは、月刊誌としては異例の重版となった。
マガジンハウスの特徴は、紙の雑誌そのもので利益を生み出し、そこで培ったブランドや編集力を新たな事業へ広げている点にある。紙を起点に収益源を増やしている。
週刊誌の推定販売金額は前年比17.9%減
一方、紙媒体を取り巻く環境は厳しさを増している。
出版科学研究所によると、2025年の紙の出版物の推定販売金額は前年比4.1%減の9647億円。1976年に1兆円を超えて以来、約半世紀ぶりに大台を割り込んだ。なかでも雑誌の落ち込みは大きく、販売金額は同10.0%減の3708億円。週刊誌に限れば同17.9%減となった。スマートフォンの普及や書店の減少、読者の高齢化に加え、紙代や印刷費、物流費の上昇も重なっている。
こうした市場縮小を受け、出版社は紙媒体の見直しを迫られている。近年は女性誌の休刊が相次ぎ、刊行頻度を減らす動きも広がる。「週刊ダイヤモンド」は紙版の定期刊行を終えて電子を軸とする体制へ移行する方針であり、「週刊SPA!」も紙と電子の刊行形態を見直す。今夏には「週刊少年ジャンプ」の発行部数が100万部を割ったことも話題となった。紙媒体を縮小する一方、過去に生み出した作品の映像化や商品化、ライセンスなど、IPを新たな収益源として育てる出版社も増えている。
紙の部数減少は、さらなる悪循環を招く。発行部数が減れば、1冊当たりの印刷・配送コストは相対的に重くなる。書店の減少によって読者の目に触れる機会が失われれば、さらなる部数減少にもつながる。出版社、取次、印刷会社、書店が支えてきたビジネスモデルは、構造的な縮小局面を迎えている。

マガジンハウスも、この逆風と無縁ではない。日本雑誌協会によると、同社が発行する定期誌の印刷証明付き発行部数は、10年前と比べて軒並み減少しており、その減少率はおおむね20~50%に及ぶ。紙の雑誌で利益を確保しているとはいえ、部数そのものは長期的には減少傾向にある。


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