筆者は、マガジンハウスの雑誌で気になる特集を見かけると、つい手に取る。先日、書店を訪れると、ターザンやブルータスなどが並び、さまざまな特集が目に引いた。
今回購入したのは、カーサブルータスの特別編集号「大人も読みたい こどもの本200」だ。価格は1760円と雑誌にしては高価格帯だ。
読み進めると、写真やイラスト、文字の大きさやフォント、余白の取り方まで、随所に編集のこだわりが感じられる。紙の質感も相まって、読み飛ばすのが惜しくなり、自然と1ページずつじっくりめくりたくなる。名作絵本を紹介する企画自体は珍しいものではない。それでも、カーサブルータスというフィルターを通して選ばれ、独自の切り口やストーリーで紹介されると、知らなかった世界が広がっていく感覚がある。
紙の雑誌が持つ価値
スマートフォンなら、自分の関心に合った情報へすぐにたどり着ける。効率的である反面、思いがけないものと出会う機会は少なくなりやすい。当初は興味のなかった記事で手が止まるといった偶然の出会いも、紙の雑誌が持つ価値の一つだろう。
読み終えた後は、本棚に表紙を飾って楽しめる。仕事の合間にふと目に留まり、もう一度ページを開くこともある。そうした体験の積み重ねが、雑誌への愛着を生み、ブランドの強さにもつながっていく。
マガジンハウスが動画やイベント、商品、海外へと事業を広げられるのも、その根底に長年かけて独自の世界観を磨いてきた雑誌があるからだ。一方、紙の雑誌を取り巻く環境は厳しい。書店数は減少し、コンビニでも雑誌売り場の縮小が進む。出版市場が縮小するなか、マガジンハウスがこれから雑誌をどう生かしていくのか。その挑戦は、雑誌の未来を考える一つの試金石になりそうだ。


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