会場を回ってあらためて気づくのは、フェラーリ各車は似ていない、ということ。パワートレインのバリエーション、パッケージのバリエーション、もちろんデザインのバリエーション、どれも豊富なのだ。
以前、フェラーリが12チリンドリを発表した際、左右分割式の電動リアスポイラーのデザインに興味を引かれた。担当デザイナーはさかんに「ユニークなデザイン」と喧伝していたので、次のモデルにはこのアイディアの発展形が採用されるのかと、私は尋ねた。
するとそのデザイナーは「フェラーリは同じデザインを採用しません」ときっぱり、可能性を否定した。
実際、東京ミッドタウンの芝生に置かれたモデルは、クーペとスパイダーのような派生車種は別として、どれもまったく違うデザインテーマを与えられている。差異こそフェラーリの製品戦略の核にあるもの、といってもいいだろう。
フェラーリのクルマづくり、その核心
「私たちのモットーは、Different Ferrari For Different Ferrarista、あるいはDifferent Ferrari For Different Momentなのです。フェラーリは、1台だけあればなんでもできる、というクルマを作っていません」
個々のフェラーリファン(フェラリスタ)の個人的嗜好にあった特定のモデルを用意する。また、サーキットやグランドツーリングなど、目的に応じて選べるモデルを用意する。
それがフェラーリのビジネスで、そのことをあらためて喧伝する場が、フェラーリ・フェスティバルなのだ。
フェラーリは自分たちのキャラクターというか、特異性をつねに大事にしている。それを公言しているのもブランドとしてユニークで、同時にたいへん大切なことだ。
「フェラーリと合わない3つの単語があるんです」とビーニャCEOは言う。

