フェラーリでは、世界各地で「ウニベルソ・フェラーリ」なるファン向けの有料イベントを開催してきている(次回は26年10月にインド・ニューデリー)。今回のように入場無料でラインナップに接することができる「フェスティバル」は希少だ。
ひながたはオーストラリアでの「フェラーリ・フェスティバル」だろう。25年はシドニー、26年6月はブリスベンで開かれて好評を博している。
日本は初めてでも、ファンを喜ばせる勘所は押さえていると見た。先に触れたとおり、ディーラーでも見られないほど、多くのフェラーリが並べられているからだ。
伝説的なF40からF1マシンまで
特にめずらしいのは、 冒頭で紹介した3台。そのままサーキットで走れることを目指したF40、公道を走るF1マシンとして開発されたF50、それにピニンファリーナ在籍時に奥山清行氏がデザインしたエンツォ・フェラーリだろう。
奥山氏は、デザインソースをガンダムだと語っているそうだ。イーロン・マスクもガンダムのような日本の「メカ」(Mechaという日本英語をそのまま使う)から大きく影響を受けているし、フェラーリは先んじていたといえる。
加えて、24年発表のプラグインハイブリッド・スーパースポーツ「F80」や、今シーズンの「SF-26」というF1マシンも展示。さらに、ごく少量がほとんどオーダーメイドのように作られた「イコナ」なるシリーズの「モンツァSP1」(18年)と「デイトナSP3」(21年)も並べられた。
ところが……「フェラーリとは製品ではない」と言うのは、ビーニャCEOとともに来日した、グローバルヘッド・オブ・プロダクトマーケティングの肩書を持つ、エマヌエレ・カランド氏だ。
「フェラーリとは“生き方”だと私たちは捉えています。このイベントでお見せするのは、フェラーリの歴史ですが、同時に未来でもあるのです。フェラーリ車を観てもらうことで、ある種の感情がかきたてられ、それが将来にわたって心の中に残れば、というのが私たちの狙いです」

