高校2年生の夏、人生を変える出会いが訪れた。SSHの予算を使い、東京の理化学研究所を訪問できることになった。もちろん理化学研究所での経験も刺激的だったが、その翌日、引率の先生に連れられて東京大学のオープンキャンパスにも足を運んだ。そのときは、「東大なんて自分には無理かな」と感じていたが、半ば仕方なく構内を回ったそうだ。
ただいろいろ回っていると、宇宙に関する公開講義の案内を見つけた。講義に参加し、投影された講演資料を眺めていると、見覚えのある図がいくつも出てくる。なぜだろうと考えて、すぐに気づいた。
奈良から東京へ向かう新幹線の中で読んでいた、講談社ブルーバックスの宇宙に関する本。その著者本人が、目の前で講義をしていたのだ。運命じみたものを感じながら、亀田さんは講義終了後、持っていた本にサインをもらった。
そして、ふと思った。
自分が「面白そうだ」と思って本を買い、一人で追いかけてきたようなことが、東京大学では目の前で研究されている。「東大に来れば、ここで勉強ができるんだ」。
東大を目指そう。そう決めた亀田さんは、その日のうちに英単語帳『鉄壁』を購入した。それまで数学と理科ばかりで、ほとんど手をつけていなかった英語に、初めて本気で向き合った。
ただ、高校2年生のときは生徒会長を兼任していて十分に勉強の時間が確保できなかったことが原因で、高校3年生の東大模試ではE判定だった。秋には志望校を下げることも考えた。しかし、東大に行きたいという思いに嘘をつくことはできなかった。
現役で東大を受験し、結果は十数点足りず不合格。1年間の浪人を経て、東京大学に合格した。
東大院の物理学専攻でブラックホールを研究
東京大学へ進学してからも、亀田さんを突き動かすものは変わらなかった。現在は大学院の理学系研究科物理学専攻で、ブラックホールについて研究を続けている。
しかし、学んで終わりではない。大学時代には、トランプの「大富豪」に数学の要素を取り入れたカードゲーム「関数大富豪」を製作した。数式に数字を代入して計算しながら遊ぶゲームだ。原点にあるのは、亀田さん自身が、数字やボードゲームをきっかけに数学を好きになった経験だった。
2025年には法人化し、教育コンテンツの開発や、ドラマの監修などにも仕事の幅を広げている。


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