古代ギリシア史の冒頭には、たいてい次のような説明があります。
「古代ギリシア人は各地に都市国家(ポリス)を築き、共通の言語や宗教を持ちながら、それぞれ独立した政治を行っていた」
ここだけ読むと、いくつもの都市国家が並び立つ、非常に多彩な世界を想像しますよね。
実際、2004年に刊行された『古典期・アルカイック期ポリス総覧』では、史料から確認できるポリスが1035も挙げられています。
ほかのポリスの存在は無視?
ところが教科書を開くと、まず詳しく登場するのがアテネです。
民会を中心とする民主政を発達させ、ペルシア戦争後にはデロス同盟の盟主となったポリスです。
次に大きく扱われるのがスパルタ。少数の市民が多数のヘイロータイと呼ばれる人々を支配し、市民には厳しい訓練と共同生活を課したことで知られています。
もちろん、教科書にほかのポリスがまったく出てこないわけではありません。ミレトス、コリント、テーベ、シラクサなどの名前を目にすることはあります。
しかし、その政治制度や社会の仕組みまでまとまった形で教わるのは、やはりアテネとスパルタが中心です。
1000以上もあったポリスのなかで、なぜこの2つだけが、これほど大きく扱われるのでしょうか。


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