また経営者の平均年齢が世界一になっていることも、リスクを過剰に恐れている要因の一つかもしれません。いずれにしても、企業が利益を増やして現・預金をため込み、一方で給与をほとんど増やさず、設備投資を抑制していては、日本経済の将来を殺すことになります。
本来は少子化だからこそ、各企業はビジネスモデルを大幅に変えて、今まで以上にイノベーションのために設備投資を推進しなければなりません。生産性が向上して、賃上げをすれば、国内経済は伸びます。日本経済の生産性は先進国最下位であることを忘れてはいけません。
企業の利益が増えるとGDPの計算(所得面)に企業の利益が含まれるので、GDPの増加要因となりますが、企業部門の利益増加による経済成長は弱く、中・長期的な持続性も弱いとされています。
政府が食品の消費税減税をするのは筋違い
こうして議論を踏まえると、食料品の消費税減税と給付金の話はおかしく見えてきます。家計は苦しいうえ、日本の対GDP比の政府債務残高は世界2位という状況です。その主因は企業が従業員に分配しないことなのにもかかわらず、代わりに政府が減税をしたり、給付金を出そうとしているのです。
こうした政府の政策は、企業の過去最高の経常利益をたたき出している傍らで、多額の配当を出したり、現・預金をため込んだりしている最悪の経営戦略の悪影響を緩和するためのものです。企業には今年46兆円の配当を出す余裕があるのに、政府は5兆円の消費税減税のために、財政赤字を拡大するような真似をしています。
本来、政府がすべきことは、企業にイノベーションと賃上げを強く働きかけることです。高市政権の「戦略17分野」は方向性としては正しいと言えます。足りない分野は、安倍政権がずっと要望していた賃上げなのです。


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