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ライフ #話題の本 著者に聞く

「本能寺の変」よりも謎だらけ、歴史に埋もれた"庶民の日常"の面白さ 『室町「下剋上」サバイバル』清水克行氏に聞く

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『室町「下剋上」サバイバル』の著者
『室町「下剋上」サバイバル』の著者、明治大学教授の清水克行氏(撮影:今井康一)

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「喧嘩両成敗」や「耳鼻削ぎ」など室町時代の慣習に着目した著書で知られ、「室町ブームの火付け役」と呼ばれる中世史研究者が、全53編のエッセー集で縦横無尽に語った。室町人の奇妙なしぐさや勤労観から、自身の駆け出し研究者時代、不遇の青春まで、テーマは多彩だ。混沌の時代をしたたかに生きた人々の姿は、閉塞感が漂う現代社会を問い直す手がかりにもなる。

「いかに現代社会や現代人の生活とつなげるか」に頭を悩ませた

──宣教師により伝わった、自分の体をムチで打ちたたいて罪をあがなう「ムチ打ち苦行」など、現代の感覚では噴き出してしまうような話が満載です。『週刊文春』での2年半に及ぶ連載が基になっていますが、毎週のネタ探しに苦労しませんでしたか。

『室町「下剋上」サバイバル』(清水克行 著/文芸春秋/1980円/240ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

幸いなことに、ネタ選び自体にはそれほど困らなかった。史料を長年読んでいると、論文にはならないけれど、一般の読者から見ればそれ単体でも十分に面白い日常の謎や珍エピソードがたまっていく。それらを書き留めたネタ帳は、すでに20冊ほどになっている。

むしろ毎週頭を悩ませていたのは、ネタそのものよりも「その歴史のネタをいかに現代社会や現代人の生活とつなげるか」という点だ。現代との接点をどう意識し、話をどう展開させるかを考えることに時間を費やしていた。

──「日本史最大の謎!」の項では、有名な事件の真相よりも、室町の庶民の日常のほうがよっぽど謎だらけだと書かれています。

テレビや雑誌で「日本史最大の謎」といえば、本能寺の変の黒幕や坂本龍馬暗殺の真犯人といった話題ばかりが取り上げられる。しかし私にとっては、本能寺で織田信長が殺されたことよりも、室町の庶民がどうやって時刻を知り、朝晩どんな食事を口に運んでいたのかといった、日常の謎のほうが大問題だ。

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