9月5日からは今年の特急ニセコ号の運行が始まったことから、この列車も札幌―函館間の特急北斗号の代替列車として機能したほか、JR北海道は9月8日と9日にも急遽、特急ニセコ号の運行を決めた。
一方で、貨物列車も長期に渡って運休を余儀なくされた。トラックや船舶代替では輸送力が足りず、貨物駅でコンテナが滞留したほか、一部ではタマネギの選果場が休止に追い込まれるなど、ジャガイモやタマネギといった農産物の出荷にも深刻な影響を及ぼした。
小樽―倶知安―長万部間は、北海道新幹線の札幌延伸に伴いJR北海道から経営分離されることが確定しており、2022年3月に北海道庁が主導する非公開の協議会において廃止が決定された。さらに倶知安町は新幹線新駅の整備に影響することを理由に2025年の山線廃止を主張していたが、地域のバス会社に事前の相談なく廃止方針を打ち出したことから、バス会社側が反発、バスドライバー不足を理由に鉄道代替バスの引き受けに難色を示している。
仮に倶知安町の主張通りに2025年に山線が廃止されていれば、今回の室蘭本線の寸断により道民の生活やビジネスに大きな影響が出ていたことは火を見るより明らかである。
北海道とJRは鉄道をどう維持、発展させていくのか
さらに年間約500億円の赤字が出ることを前提として発足したJR北海道も、国の低金利政策による経営安定基金の運用益が減少したことが経営問題の本質であり、そうした鉄道政策の失敗を国に質すことが、経営幹部が真っ先に取り組まなくてはいけない課題である。
しかし、2010年代に経営問題が表面化した際にそうした問題の本質から目を背け、人件費など目先のコストカットに走ったことが、多くの優秀な人材の喪失につながり、鉄道の基本的な運営すらも難しくしている。
北海道庁とJR北海道の幹部は、北海道の経済活動の生命線である鉄道をどのように維持、発展させていくのか、問題の本質から目を背けずに解決に向けて主体的な取り組みを行う必要がある。山線の迂回路としての活用を含め、現在は、鉄道関連事業費が含まれていない北海道開発予算の鉄道への活用に向け、制度改正をするべきではないか。

