まず、これが「定量データ」を無視しているわけではないことを理解しましょう。存在しないデータは、「存在しないこと」さえきちんと相手に説明できればよく、存在しないこと自体を責められることはありません。
そして、データがなければ先に進めないのであれば、仕事の範囲はずいぶん保守的、後追い的になってしまいかねません。ライバルよりも先に新しいチャンスをつかむためには、「仮説」を使って考えることがスピードと質の両面から大切です。
反対に、「仮説」になじめず使いこなせない人は、いつまでたっても動き出せないもたもたしている人、あるいはやみくもに動き始める非効率な人という印象を与えます。ビジネスは、一定の締め切りまでにできるだけ高い質を確保することが大切だからです。
誰でも日常的に「仮説」を使っている
「仮説思考」は、他のデータを基に「仮説」(とりあえずの考え方)を立てて、それを検証しながらさらに煮詰めていくこと。一見難しそうですが、実は普段から、誰もが使っている手法でもあります。
たとえば、何人か集まって、共通の友達の誕生日プレゼントを探すとき、どんな段階を踏むでしょうか。予算は当然として、「友達がもらって喜びそうなもの」を選ぶことが大切です。ただし、誕生日プレゼントはサプライズが大切ですから、「欲しいものは?」と聞くのはイケていません。
そこで、過去のさまざまな「データ」から仮説を立案します。「革製品が好き」「あのブランドの小物を使っていた」「バッグを持ってはいなかった」「ダークブラウンの靴をよく履いている」……この4点から、「彼が持っていたブランドのレザーのバッグ、色はブラウン系がいいのでは?」という仮説が導けます。


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