東大が公式に掲げる「求める人物像」は、次の5項目です。
知力と学習能力。優れたコミュニケーション能力と英語力。論理的思考力と創造的思考力。責任感、社会正義感、包摂性。そして、自主性と協調性です。
この5項目に、同じ重みがあるとは限りません。また「知力は5分の1にすぎない」と単純化するのも適切ではないでしょう。
それでも、点数で示せる学力だけでは、東大の考える優秀さを説明しきれなくなっていることはわかります。
自分の考えを伝える。答えのない問題について考える。社会に対する責任を持つ。異なる背景を持つ人と協働する。そして、考えるだけでなく行動する。
価値創造学部が求めているのは、「一人で難問を解ける人」に加えて、「他者と一緒に、まだ答えのない問題へ向かえる人」なのです。受験産業の視点から見ても、非常に興味深い入試です。
この入試は「対策」できるのか
エッセイの構成や英語での話し方、面接での伝え方には、当然、指導によって伸ばせる部分があります。総合型選抜を扱う塾にとっては、新しい市場にもなるでしょう。
一方で、課外活動を早い時期から設計できる家庭や、英語教育に多くの費用をかけられる家庭、評価書作成の経験が豊富な学校が有利になる可能性もあります。
東大は「包括的かつ公正な入学者選抜」を掲げ、個人の特性や才能だけでなく、それぞれが置かれてきた環境も考慮するとしています。
しかし、理念として公平性を掲げることと、実際に格差の影響を小さくできることは別問題です。最初の選抜でどのような受験生が合格するのかは、慎重に見ていく必要があります。


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