金利差が2.5%あるので、5年後の6年目で金利は3.5%で同じになる。計算しなくても、5年程度で売却して引っ越しをするなら、変動金利のほうが圧倒的に支払利息は少なくて済む。分かりやすくするために、1億円の借入の場合、5年間の利息総額は変動金利のほうが約740万円少なくなる。元本の減り方がほぼ同じなので、元本を含めた累計返済額も、変動金利のほうが約777万円少なくなる。
7年目からは変動金利のほうが高くなるので、それまでに生じた利息負担の差は縮まる方向に動く。10年経過時点でも、利息総額は変動金利のほうが約309万円少ない。この利息総額の逆転が起こるのは、11年が経過した時点になる。
しかし、5年ルールと125%ルールがあるため、9年目から未払い利息が発生し、元本が減らなくなる。9年目に金利が5%になると、毎月の返済額が利息額を下回り、支払いきれなかった利息が翌月以降に繰り越されることになる。10年目の終わりまでの2年間で、未払い利息は約100万円になる。住み替え時には、残った元本と未払い利息の清算が必要になる。
この結果、元本と利息を合わせた累計返済額は、10年経過時点で変動金利のほうが約1126万円少なくなる。1年平均で約113万円、1カ月平均で約9.4万円、支払いが少ないことを意味する。これは、5年ルールと125%ルールによって毎月の返済額が抑えられているためで、その分、元本の返済額も約817万円少なくなる。
ちなみに、変動金利でも5年ルールと125%ルールがなければ、10年後までの元利返済額は固定金利に近い水準になる。それでも、変動金利は当初金利が低く、元本の返済が早く進むので、10年経過時点の累計返済額は変動金利のほうが約267万円少なくなる。
ローンの選定をどのように行うべきか
これらの計算から、ローンの選定をどのように行うべきか、結論を書こう。
まず、10年以上住み替えをしない前提で、金利がこのように上がると考えるなら、固定金利を選んだほうがいい。ただし、金利が上がらなかったら、その分は損をすることになる。また、金利上昇のペースがこの半分なら、差はさらに広がる。金利上昇に備える保険料を払う覚悟があるかは、各自の判断だろう。
私は10年ほどで住み替えるのが合理的だと唱えている。住み替えの選択肢を常に持つことが大事であり、実際に住み替えなくてもいいと主張している。このため、当初5年の利息負担が少ないというメリットを持ちながら、いつでも引っ越しできるようにしたほうがいいと考えている。


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