そこから細い曲がりくねった道を通ると、両側に煙突や登り窯がずらりと並び、ギャラリーや雑貨店などが軒を連ねています。本作のロケ地にもなった「でんでん坂」は、壁面に陶製の焼酎瓶が一面に敷き詰められており、なんとも不思議な光景が展開します。
「土管坂」は、東野作品ではありませんが、映画『20世紀少年〈最終章〉 ぼくらの旗』(09年)のロケも行われた、常滑を象徴する場所。両側に高く積まれた土管だけでなく、坂道では滑らないように、土管の焼成時に使用した廃材である「ケサワ」が敷き詰められていることも印象的です。
また、最も大きい「登り窯」は、『白鳥とコウモリ』でも重要な場所として撮影されました。どのようなシーンで登場するのか、実際に劇場でお確かめください。
ロケ地にもなった「でんでん坂」。『白鳥とコウモリ』では主演の2人が歩くシーンが登場しています(写真:筆者撮影)
全国に点在する「東野作品の聖地」の影響力
ここまで書いてきたように、東野作品は全国に数々の「舞台地」があります。
中でも、映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(17年)が撮影されたレトロ商店街「豊後高田昭和の町」を有する大分県豊後高田市は、映画を通じて「昭和の町」としてのアピールに成功。観光客は年間40万人規模に増加し、現在でも国内外からの多くの聖地巡礼客を集めています。
他にも、東野作品の特筆すべき舞台として「雪山」があります。
東野氏といえば、ウインタースポーツ好きで有名。18年には、日本一のスノーボーダーを決める大会「SNOWBOARD MASTERS」を創設し、私財を投じて将来のウインタースポーツの担い手の育成に取り組み、地域活性化にも貢献しています。
それだけに、雪山を舞台にした作品が多く、「雪山シリーズ」と呼ばれる、『白銀ジャック』『疾風ロンド』『雪煙チェイス』の3作が生み出されました。


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