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ライフ #「現金とっぱらい」の現場で

返済期間「35年超」が4人に1人に…80歳まで終わらない住宅ローンを抱えた44歳が"雪かきと草刈り"で生きる理由

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貸別荘の清掃で生活費を稼ぐ川口さん(44歳・仮名)(写真:筆者撮影)
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雪の量や敷地の広さによって報酬は異なる。2~3時間かかる現場では5000円ほどを受け取る。支払いは現金だ。

「3時間で5000円の仕事を1日に2件こなすのは、体力的に厳しいですね。雪はものすごく重いんですよ」

雪かき以外にもこの地域特有のとっぱらいの仕事がある。春から夏にかけては草刈りや高原野菜の収穫、観光客が増えれば貸別荘の清掃などだ。決まったひとつの仕事だけでなく、現金仕事で収入を増やしていく。

川口はほとんど休みを取らない。こんな働き方をする理由は意外だった。

「実は、東京に妻子がいて、僕は単身赴任のような形でこちらで暮らしています。家族には、生活費、住宅ローンの費用を送っています」

80歳まで続く住宅ローン

月にどれくらいの額が必要なのかを事細かに質問した。

「マンションの管理費は月3万5000円。これに妻子の生活費として月10万円前後が必要です。そして、住宅ローンはもともと月12万円ほどありました。これが重すぎたので、返済期間を延ばす審査を受け、通りました。返済額を減らしましたが、80歳までローンは延びましたね」

月々のローンの返済額は減額されたとはいえ、家族の生活費や住宅関連の支払いに、月20万円近くが必要な計算となる。

住宅ローンの長期化は川口だけでなく社会全体の課題だ。住宅金融支援機構によれば、新規で住宅ローンを組んだ人のうち、返済期間が35年を超える住宅ローンを利用した人は、2022年10月には9.5%だったが、2026年1月には23.4%まで増えた。

川口の場合は返済期間の延長であり、統計が示す「最初から長期間で組む」新規契約者とは事情が異なる。しかし、どちらも根っこにあるのは同じ問題だ。利息負担、総返済額は増え、リタイア後の生活苦や破綻のリスクもある。平均寿命が延びているとはいえ、80歳までローンを返す世の中は他人事ではない。

川口は東京都の市部出身だ。

「実家は団地で、父親は大型施設の電気設備を管理する仕事をしていました。24時間勤務で夜中に出ていくこともありましたね。母親は新聞配達をして、共働きで、生活水準は中流ぐらいでした」

子どもの頃から体を動かすことが好きで、小中学校ではサッカーを続けた。勉強は「普通か、少し下ぐらい」。遊ぶほうが好きだったという。家に余裕がなかったため、高校は都立を選んだ。

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