半開きにすれば折り目の周りから内容が逃げ、机に置けば充電していなくても時計や予定を映す待ち受けに切り替わり、姿勢に応じてスピーカーの音場も調整する。ヒンジは開閉の重さを角度ごとに作り込み、製造時には1台ずつ表面をレーザーで走査して、樹脂を3Dプリントで盛ってうねりを消すと説明した。折りたたみを「開くと大きい」だけの端末にしないための積み上げが、参入の遅れの中身だ。
サムスンは形で先回り、Androidの横折りは5社に
先に手を打っていたのがサムスンだ。7月に発表し8月7日に発売した折りたたみは、縦折りの「Galaxy Z Flip8」が19万円台、横折りの「Galaxy Z Fold8」と最上位の「Galaxy Z Fold8 Ultra」が27万円から30万円弱という3段構えで、入り口を19万円台に置いた。「折りたたみスマホならSamsung Galaxy」というメッセージの通り、8世代かけて蓄積した機種の幅で競う戦略だ。
価格帯だけでなく、形でも先回りした。Fold8は昨年のラインアップになかった新形状で、閉じれば5.5インチの細身のスマホ、開けば4対3の7.6インチという、パスポートに近い形をしている。アップルがDuoで選んだ形と、ほぼ重なる。ブルームバーグによると、アップルのデザイン部門がこの横に広い形を固めたのは2023年ごろで、サムスンはFold8でこの形を取り入れて販売が好調だという。
サムスンがこの形を選んだ背景には、中国で先行するファーウェイへの対抗もある。ファーウェイは2025年に、開くと横長の画面になる小型の折りたたみ「Pura X」を投入し、今年4月にはパスポート型に大きくした「Pura X Max」を加えた。
サムスンはアップルの発表会前日の9月8日、Fold8 UltraとFold8の大容量モデルを最大1万5000円引きにするキャンペーンを直販で始め、9月29日まで続ける。iPhone Duoの予約が始まる10月16日より前に、主力機を動かしておく形だ。
横折りの参入も続いた。OPPOが4月に「Find N6」で日本の折りたたみ市場に加わり、モトローラは8月に同社初の横折り「motorola razr fold」を発売した。モトローラは説明会で、折りたたみ市場は横開き型に動いているとの見方を示している。現行機を持つグーグルは、8月12日に発表した「Pixel 11 Pro Fold」を27万9900円からとし、前モデルからの上げ幅を1万2400円にとどめた。


※ログイン後、コメント入力が可能です。