この竈方集落では、「古文書」と「宝物」の継承を行う「竈方祭」という祭りが400年以上にわたっておこなわれてきました。
集落には北畠氏との関係を示す古文書など計31通と、かつて塩を量るのに用いた古枡を共有の宝物として各集落で交代しながら管理する習わしがあるのですが、この祭りで、この交代と確認をする儀式が執り行われるのです。
ほかに、平維盛から出た武士であるという矜持から、歩射による弓引き神事も行われます。交通が不便な8つの竈方集落が集まるため、御座船が出る船祭りの形がとられてきたといいます。
しかし、祭りにかかる経費が大きく、集落から出ていく若者が多くなったことから、1963年を最後に御座船は運行されなくなりました。
さらに2004年には輪番制が廃止され、2008年には毎年開催が隔年開催に変更されるなど、祭りの規模は少しずつ小さくなりました。
400年の歴史ある祭りを復活→住民の心に変化が…
そんな中、2017年にこの集落にとって契機となる出来事がありました。当初の規模での竈方祭を1回限りで復活させることにしたのです。
「本来の祭りの姿を写真や動画に残すことで、この地域の文化が後世に伝えられるのではないか」
「祭りの復活が外部人材との交流や、コミュニティの強化による地域活性化につながるのではないか」
そうした目的のもと、役場が主導し集落の歴史を後世につなげるプロジェクトは始動。
過去の写真を参考に、全長12メートルの漁船を塗装し、波やチョウ、花、家紋などをかたどった模様を装飾。船上には屋形を備え付け、周りにやりや弓などを立てた御座船が再現されました。
撮影された映像には、晴れ空の中、その様子を見ようと子供から大人まで多くの人が港に集まり、各集落の区長を中心に、皆真剣な面持ちで神事に取り組む様子が記録されています。
弓引き神事や御証文受け渡し式も、現存する7集落(かつて8つあった竈方集落ですが、一つは津波によって廃村となりました)の代表者が裃に脇差姿で集い、当時の様子を忠実に再現する形で復活しました。


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