また太陽光発電の拡大は、太陽光パネルメーカーの疲弊の上に成り立っている面もある。太陽光パネル向けシリコン生産大手の通威股份は、26年1~6月期の純損失が51億1900万元(約1190億円)に達し、前年同期の49億5500万元からさらに拡大した。大手パネルメーカーの隆基緑能(ロンジソーラー)も純損失が約36億8400万元に拡大した。需要を上回る過剰生産で値崩れを起こしていることが背景にある。
こうしたパネル価格低迷が新たな発電設備設置を促し、さらにパネルメーカー自らもメガソーラーの設置を進めてきた、この結果、売電価格が低下していることもあり、足元では太陽光発電設備の設置が一服する可能性もある。26年1~6月期でみれば中国の新規太陽光発電設備の新設容量は前年同期比66%減の7207万kWと大幅に減少した。中国光伏行業協会(太陽光発電の業者団体)は、26年通年の新規導入量を1億8000万~2億4000万kWと予測しており、前年比24~43%減となる見通しだ。年間ベースでの減少は19年以来初めてとなる。
イラン紛争が再生エネシフトを後押しへ
しかし今や脱炭素は中国の国家目標であり、中長期的には、中国のエネルギー転換は加速し続ける見通しだ。中国の経済政策を統括する国家発展改革委員会は、「第15次五カ年計画」期間およびその後の一定期間は、世界的に低炭素・ゼロカーボンエネルギーへの転換が加速する局面であると指摘する。中国政府は炭素排出量ピークアウト目標を予定通り達成する方針で、再生可能エネルギーは経済・社会の包括的なグリーン転換を支える主要な柱として重要性を増すとしている。
特にアメリカ・イスラエルとイランとの紛争など地政学的緊張が世界の石油・ガス供給網を揺さぶり、エネルギー安全保障に関する不確実性が高まっている中、再生可能エネルギーへの重要性は一段と高まっている。
こうした状況を踏まえ、「第15次五カ年計画:再生可能エネルギー開発」では、30年までに中国の再生可能エネルギー発電設備容量を約35億kW、年間発電量を約6兆kWhとする目標を掲げている。このうち、風力発電と太陽光発電の設備容量は28億kW以上となり、全国の総設備容量の50%以上を占める見込みだ。
(財新記者:趙煊軒、張正琦)
※中国語原文の配信は9月2日


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