第1話で、前シーズンで負傷した別班員および、乃木憂助(堺雅人)の部下でバルカに滞在していた黒須駿(松坂桃李)の5人が行方不明になる。その後は、彼らの行方を追うなかでいくつものミッションが挟み込まれ、それらをひとつずつクリアしながら物語が進んでいく、ロールプレイング・ゲームのような、『スター・ウォーズ』のストーリーのような王道のエンターテインメントだ。
しかし、ひとつの大きな目標に向かって少しずつ進展していくリニアプロットのシンプルな物語のため、どうしても単調に感じてしまう。本筋からそれたささいな過程に細かなトリック描写が入ることもあり、そのぶん物語が進まない印象もある。
間違い探しの映像クイズのようなゲスト出演
『VIVANT』の作品性の特徴として、視聴者へのサプライズにとりわけ力を入れていることがうかがえる。
毎話、ゲスト俳優として、著名スポーツ選手やお笑い芸人、アーティスト、人気俳優などが、ちょい役としてシーンの一部にほんの数秒ほど登場している。それはまるで間違い探しの映像クイズのようで、毎回ネットニュースもSNSも盛り上がる。
また、公安を裏切った新庄浩太郎(竜星涼)の逃走経路やタイの隠れ家、別班員だった長野利彦(小日向文世)の正体の判明経緯をはじめ、視聴者を欺く細かなトリック描写が多い。それらが視聴者へのサプライズの仕掛けになっているのだが、目の肥えたドラマファンには見透かされているようにも感じる。
ここまでの最大のサプライズは、野崎守(阿部寛)の裏切りだろう。前シーズンから乃木とともにテントを追ってきた野崎の新庄逃亡への関与がラストで明らかになった第3話に続く第4話は、視聴率を大きく盛り返した。それだけインパクトがあり、その先の展開への関心が高まった。
ただ、ここまでの全体を通して感じるのが、国際諜報員機関のエージェントたちの物語として、エンターテインメント作品としても、設定や行動、動機がナイーブすぎること。例えば、シンシーに潜入した野崎からはWスパイという重さが感じられず、幹部職を要求する様などからは、まるで外資系企業に転職した会社員に見えてしまう側面もある。


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