10年代こそ、『半沢直樹』(TBS系)や『家政婦のミタ』(日本テレビ系)が平均20%を超え、『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』『相棒』シリーズ(テレビ朝日系)、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)、『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)など15%を超える回のあるドラマも少なくなかったが、20年代に入るとそれも激減し、今作の前に15%を超えたのは『VIVANT』前作のみになる。
テレビ離れと言われる時代に、いかに15%が高い壁であるかということ、『VIVANT』は社会的人気ドラマと呼ばれるほど注目を集める、稀有な作品になっていることがわかるだろう。世帯視聴率15%といえば、全国で1700万人以上がリアルタイムで視聴していることになり、その影響力はとてつもなく大きい、エンターテインメント産業にとって意義のある作品になる。
また、SNSでも、シーズン2の放送開始から6話目まで、毎週の放送時間帯にXの世界トレンド1位を獲得しているほか、視聴者は一瞬だけ映るサプライズゲストを発見してはヒートアップし、細かなセリフや事象の余白を考察するポストが盛り上がっている。
とくにここ最近では、連続ドラマとしては異例の主人公を含めた1人3役を怪演する堺雅人の演技力や、いくつもの外国語を自然な発音で話す多才さへの評価の声が溢れている。そして、彼のインパクトのあるセリフのパロディがネットミーム化して、おもしろおかしく楽しまれている。
近年では、映画『キングダム』で大沢たかお演じる王騎の画像を使った大喜利などがSNSのムーブメントになったが、堺雅人演じる乃木憂助、別人格・F、リュウ・ミンシュエンもこうした盛り上がりを作っていくかもしれない。
初回以降、視聴率が下がる要因
一方、15%を維持してはいるものの、初回以降は大きく見て下降傾向にある。その要因は、前作から3年ぶりの続編に対するファンの高い期待に、物語の内容が応えられていないことに尽きるだろう。
これまでのシーズン2序盤を振り返ると、初回こそ見事な新章の立ち上がりだった。社会現象的ブームを巻き込した前作の最終回の裏で動いていた別の陰謀から新たな事態が勃発し、それまでの物語の勢いと緊迫感をそのまま移行した。
しかし、第2話以降、停滞する。
物語の大筋は、何者かに拉致されて国外に連れ出された別班員5人の救出になる。


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