背中にでかでかと“虎が好き”と書かれたTシャツ姿のトラちゃんは、無精髭をさすりながら話す。
「この店には関係ないよ。だってこの店に来る客は、この店をめがけて来るんだもの。だから連絡通路ができても、商店街を通ってここに来るね」
店主の横山さんが、焼串をくるくると返しながら、トラちゃんの話に割って入る。
「商店街を歩いてる人のうち、前々から気になってたからちょっと入ってみるか、っていうお客さんもいるわけだよ。でも、直通の連絡通路ができたらそういう人の絶対数も減るわけだから、やっぱり残念ですよね。本音としては通路はつくってほしくないよね」(横山さん)
商店街に波紋を広げている「秋津ー新秋津」間の直通連絡通路だが、実際にはどんな場所につくられるのだろう。
予定地である線路脇の草むらを見に行く
秋津と新秋津の連絡通路は、西武鉄道とJR東日本の土地につくられる。秋津商店会会長の武藤さんによると、「線路脇の狭くて細長い土地」なのだそう。
西武池袋線の秋津界隈には上下1本ずつ、2本の線路が走っているが、その線路伝いに3〜4メートル幅の土地がある。西武池袋線秋津駅のホームの端から、北西方面に視線を向けると、120メートルほど先でJR武蔵野線の線路と交差する。そこから谷を降りると、すぐに新秋津駅のホームとなる。このスペースを屋根付きの連絡通路で結ぶ計画だ。
武藤さんは「まだ細かいことは知らされていないけれど、横幅3メートルくらいの細い通路になりそうだ」と語る。
「5万人の乗り換え客がその細い通路に集中するのだから、かなりぎゅうぎゅう詰めになると思いますよ。朝夕のラッシュ時は特に大変でしょうね」(武藤さん)
通路の予定地といわれている場所を実際に見に行った。現在、線路脇のスペースは草に覆われている。その場所が、将来どんな通路になるのか、具体的なイメージは湧かない。ただ武藤さんが言うように、かなり狭い。乗り換え客の5万人が一気に押し寄せるわけではないが、やはりラッシュ時は人であふれることになるだろう。すぐ横を列車が通過するわけだ。危険はないのだろうかと、余計な心配までしてしまった。


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