ここで注意したいのは、「583件の被害が2日間で136万件に膨らんだ」という話ではないことだ。第二報で明らかになった販売管理システムへのアクセスは、8月9日の異常検知より前に発生していた。その後の同社の調査において、2つの事象、つまり同じ攻撃者による一連の攻撃だったのか、別の侵入だったのかについては、その関連性の根拠は確認できなかったとしている。
なぜ「さくら」への攻撃が重く受け止められるのか
企業が不正アクセスを受ける事件は、残念ながら珍しくなくなった。それでも今回のニュースを、一般企業への攻撃と同じようには受け止めにくい理由がある。
さくらインターネットはレンタルサーバー会社であると同時に、クラウドサービスやデータセンターを運営する国内有数のデジタルインフラ事業者である。さらに現在は、日本のAI政策を支える企業の1つでもある。
経済産業省は経済安全保障推進法に基づき、AIの開発に必要な計算資源を国内で確保するため、さくらインターネットのGPUクラウド整備を支援してきた。2024年に認定された計画だけでも最大助成額は約501億円に上る。
同社は石狩データセンターなどを拠点として、大規模なAI向け計算基盤の整備を進めている。加えて「さくらのクラウド」は26年3月、デジタル庁からガバメントクラウドの対象サービスとして正式に採択された。国や自治体の情報システムを支える国産クラウドとしても、その存在感は大きくなっている。
今回、不正アクセスが確認されたレンタルサーバーや販売管理システムと、ガバメントクラウドやAI向けGPU基盤は同じものではない。


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